はじめに
アロマオイルを使ったマッサージ(トリートメント)は、香り×タッチケアの相乗効果で、気分の切り替えやリラックスタイムを演出できるセルフケアです。
やり方はシンプルですが、希釈・基材選び・保存などの基本を押さえるほど、心地よさと安全性が高まります。ここでは、初心者でも迷わないように、濃度設定・キャリアオイルの選び方・部位別の手順・保存のコツ・注意点まで丁寧に解説します。

1. まずはここから:安全に楽しむ基本ルール
- 精油は必ず希釈
精油は高濃度。原液塗布は刺激になりやすいのでNG。
基本濃度:1〜2%(キャリアオイル10mlに精油2滴まで)。
敏感肌・初めての方は1%(10mlに1滴)から始めると安心です。 - パッチテスト(初使用の精油・新しいブレンド・肌がゆらいでいる時は必須)
肘内側に少量を塗り、24時間以内の肌反応を確認。 - 使用のタイミング
食後すぐ、発熱時、飲酒後は避けましょう。入浴後の温まった肌に行うと、なじみと香りの広がりが良くなります。 - 12歳以下のお子さまには原則おすすめしません
小学生以下は皮膚が薄く、香料成分に対する反応が出やすい年齢です。かぶれやアレルギーのリスクが高いため、基本的に大人向けのケアとして運用してください。
マッサージで使うなら、精油の品質をしっかり見極めることが大切です。
▶ 失敗しない精油の選び方はこちらで詳しく解説しています👇


2. キャリアオイルの選び方(初心者はホホバ一択でOK)
マッサージに用いるベース(希釈用)オイルがキャリアオイルです。精油の働きを「運ぶ」役割を担います。
- ホホバオイル(いち推し)
ワックスエステル主体で酸化しにくく、肌質をほぼ選ばない万能タイプ。季節問わず安定して使えて、初心者のファーストチョイスに最適。 - スイートアーモンド
保湿感が高く、乾燥肌に◎。ナッツアレルギーがある方は回避。 - グレープシード
軽い感触で伸びがよい。酸化はやや早いので小分けで使い切り推奨。 - 分留ココナッツ(MCT)
ベタつきにくく、夏や朝のケアに心地よいライト感。 - オリーブ
やや重めで保護感あり。冬や乾燥が強い日に。
迷うならホホバで開始 → 季節や好みでセカンドを試すのが王道ルートです。

3. 希釈濃度と使い分け
- 日常のセルフケア:1%(10mlに精油1滴)
- 短時間のポイントケア:2%(10mlに精油2滴)
- 敏感肌・初めて・顔周り:**0.5〜1%**に下げる
※妊娠中・授乳中・既往症がある方は使用前に専門家へ相談を。

4. 精油は“ブレンド”で表現が広がる
1本でも十分楽しめますが、2〜3種をブレンドすると香りの奥行きと体感の心地よさが増します。
- 夜のリセット:ラベンダー+ゼラニウム(各1滴)
- 朝のスイッチ:オレンジ+ローズマリー(各1滴)
- 気分の落ち着き:フランキンセンス+ラベンダー(各1滴)
※合計滴数は上の濃度基準を厳守。

5. マッサージオイルの作り方・保存・使用量
基本レシピ
- キャリアオイル 20ml + 精油 4滴(合計2%)
- 清潔な容器で混ぜ、よく振ってから使用。
保存のコツ
- 遮光性の容器に移し替え、冷暗所で保管。
- フレッシュな香りと安全性の観点から、2週間〜1か月以内の使い切りを推奨。
- 同じレシピを1か月以上連続使用は避け、肌や気分の変化に合わせて見直しましょう。
使用量の目安
- 部分(肩・首・腕・お腹など):10円玉大(約1ml)
- 両足:約5ml
- 全身:8〜12ml
余った分は容器に戻さず破棄(衛生面のため)。必要量だけ手に取るのが基本です。

6. 部位別セルフトリートメントの手順
マッサージ以外にも、アロマは毎日の暮らしで幅広く活用できます。
▶ ディフューザーやお風呂など、7つの使い方をまとめた完全ガイドはこちら👇

肩・首まわり
- オイルを手で温め、鎖骨下〜首筋へゆっくり伸ばす。
- 耳下〜肩先に向けて円を描くように。
- 呼吸は吐くときに圧を少し深く、吸うときは浅く。
合う香り:ラベンダー/ゼラニウム/フランキンセンス

腕・手
- 手首→肘→二の腕へ“さすり上げ”。
- 手のひらは親指でくるくると円を描き、指先は一本ずつ優しく。
合う香り:オレンジ/ラベンダー/ローズウッド

脚(ふくらはぎ〜太もも)
- 足首→膝裏→太ももへ“下から上へ”ゆっくり流す。
- ふくらはぎは両手で包み、パンピングするように軽く圧を。
合う香り:ローズマリー/レモン(夜は柑橘は控えめに)

お腹(体調が良い日に・やさしく)
- へそを中心に時計回りへ大きな円。
- 圧は痛気持ちいい未満をキープ。
合う香り:ラベンダー/スイートオレンジ
各部位とも5〜10分が目安。短くても「心地よさを感じること」がいちばんのポイントです。
7. 初心者におすすめの精油(やさしい特徴)
- ラベンダー(真正):穏やかなハーバル調。夜のひとり時間に◎
- スイートオレンジ:明るい柑橘調。気分転換や朝のスイッチに
- ローズマリー:シャープで透き通る香り。集中したい時のセルフケアに
- ゼラニウム:フローラル&グリーン。気持ちの揺らぎケアに人気
- フランキンセンス:静けさを感じる樹脂調。深い呼吸を意識したい時に
年齢とともに心身の不調が気になる方には、更年期のサポートに役立つ精油もあります。
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8. よくある失敗とQ&A
Q. 原液で塗ってしまった…
A. すぐにキャリアオイルで拭き取り、洗い流す。赤み・刺激が続く場合は使用中止。
Q. 柑橘を塗って日中に外出しても大丈夫?
A. 柑橘の一部には光に反応しやすい成分が含まれます。夜の使用を基本にし、日中は避けるのが無難。
Q. 子どもにマッサージしてもいい?
A. 原則おすすめしません(12歳以下)。皮膚が薄く、香料成分に対する反応が出やすいため。
Q. 妊娠中・授乳中は?
A. 使用を控えるか、必ず専門家に相談してください。

9. ルーティン化のコツ(継続=いちばん効く)
- 曜日で香りを決める(月=オレンジ、水=ラベンダー…)
- 小容量で作る(20〜30ml)→酸化前に使い切れる
- 音楽や照明もセットにして“儀式化”すると続きます

まとめ
アロマのマッサージは、基本(希釈・キャリア選び・保存)を守るほど心地よく安全に楽しめます。初心者はホホバオイル+1%濃度から、短時間・少量でスタート。
12歳以下のお子さまには原則行わず、大人のセルフケアとして、無理のない範囲で習慣化していきましょう。
今日の自分にあう香りを選び、やさしい手つきで「整う時間」を作ってみてください。
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