はじめに|香りの「質」はブランドで決まる
「同じラベンダーでも、香りがまるで違う」
これは、アロマを始めた多くの人が最初に感じる驚きです。
精油は、植物そのもののエネルギーを濃縮したもの。
どの国のどんな環境で育ち、どのブランドがどう抽出しているかによって、香りの深さ・純度・安全性がまったく変わります。
この記事では、アロマ講師として28年以上の経験をもつ筆者が、
日本と海外で信頼される6つのブランド(生活の木・メドウズ・ハイパープランツ・プラナロム・フロリハナ・フィネッサンス)を徹底比較。
初心者でも「自分に合うブランド」が見つかるよう、特徴・価格・安全性をまとめました。
- 精油ブランドによって香りや品質がどう違うか
- 各ブランドの安全性・価格帯・おすすめポイント
- 目的別(快眠・集中・リラックスなど)ブランド選びのヒント

人気ブランド6社の徹底比較一覧
| ブランド | 特徴 | 安全性 | 認証 | 価格帯(5ml) | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|---|
| 生活の木 | 日本の定番ブランド。品質と入手性のバランス◎ | 自社でGC/MS分析 | なし | 約1,000〜2,500円 | 初心者・日常使い |
| メドウズ | 英国発オーガニックブランド | 成分分析表あり | ソイルアソシエーション | 約2,000〜3,000円 | ナチュラル派 |
| ハイパープランツ | 医療・介護現場でも導入 | 成分分析表あり | 一部有機JAS | 約2,000〜3,000円 | 安全性重視 |
| プラナロム | 医療グレード。科学的根拠が強い | GC/MS分析表あり | ケモタイプ分類 | 約3,000円〜 | 専門家・セラピスト |
| フロリハナ | フランス発。香りが繊細で美しい | 成分分析表あり | エコサート認証 | 約2,000〜3,000円 | 自然志向 |
| フィネッサンス | プラナロム系列のオーガニック入門ブランド | 成分分析表あり | AB認証 | 約2,000円〜 | 初心者・ギフト用 |

精油の「認証」とは?オーガニック認証マークの意味を知っておこう
精油の品質を見極めるうえで、もう一つ大切なのが「認証マーク」。
これは、第三者機関が「農薬や化学肥料を使っていない」ことを正式に保証した証です。
精油は植物そのものの生命エネルギー。
どのように栽培・抽出されたかで、香りの純度や波動が変わります。
認証付きの精油は、環境にも人にもやさしい安心な製品といえます。
主なオーガニック認証機関とその特徴
| 認証マーク | 国・機関名 | 特徴 |
|---|---|---|
| ECOCERT(エコサート) | フランス | 世界最大の有機認証機関。原料の95%以上が自然由来で、製造・包装工程まで厳格に管理。 |
| AB(Agriculture Biologique) | フランス政府公認 | フランス国内での有機農法認証。農薬・化学肥料不使用、有機原料100%。 |
| Soil Association(ソイルアソシエーション) | イギリス | 世界でもっとも厳しい基準の一つ。動物実験・遺伝子組み換え禁止を含む。 |
| USDA Organic | アメリカ農務省 | 栽培から加工・保管まで一貫管理。国際的に高い信頼をもつ。 |
| 有機JAS | 日本 | 日本の農林水産省による有機認証。国内製品・原料に適用される。 |
🪴 ブランド別「認証」有無とその意味
| ブランド | 認証有無 | 内容 |
|---|---|---|
| 生活の木 | ❌ 認証なし(独自基準) | 公的な認証はないが、社内でGC/MS分析を行い品質を厳密にチェック。 |
| メドウズ | ✅ ソイルアソシエーション | 英国の有機認証。農薬・化学肥料不使用で自然循環農法を採用。 |
| ハイパープランツ | △ 一部有機JAS | 一部原料で日本の有機JASを取得。医療・介護現場にも採用実績あり。 |
| プラナロム | ✅ ケモタイプ認証 | 成分分析による科学的安全保証を採用。臨床グレードの信頼性。 |
| フロリハナ | ✅ エコサート認証 | 全製品がエコサート取得。フェアトレード体制で環境にも配慮。 |
| フィネッサンス | ✅ AB認証 | フランス政府が認定するABマークを全製品に付与。100%オーガニック精油。 |
コラム:認証がなくても「良質な精油」はある
「認証なし=品質が低い」というわけではありません。
たとえば 生活の木 や ハイパープランツ は、
第三者認証ではなく、自社での成分分析・衛生管理を徹底しています。
信頼できるブランドは、認証の有無にかかわらず「精油の透明性」を大切にしています。
大切なのは、理念と品質管理体制の一貫性を見極めることです。

各ブランドの特徴とおすすめポイント
生活の木|日本で一番親しまれているアロマブランド
全国にショップ展開があり、初心者が最初に手に取りやすいブランド。
品質と価格のバランスが良く、精油初心者にも安心。
✅ こんな方におすすめ
「初めての精油を試したい」「毎日のリラックスタイムを楽しみたい」人。
▶︎ 初心者向けに最初の3本と使い方を紹介しています👇


メドウズ|英国発・オーガニック志向の柔らかな香り
英国ソイルアソシエーション認証を取得。
ラベンダーやゼラニウムなど、花やハーブの香りがやさしく、心を整えるのに最適。
✅ こんな方におすすめ
「自然の香りに包まれてリラックスしたい」人。
▶︎ メドウズ精油を使った温活バスの作り方を紹介👇


ハイパープランツ|医療・介護現場でも信頼される日本ブランド
日本で抽出・分析された高品質精油。
医療従事者にも使われ、清潔感のある香りと安定した品質が特徴。
✅ こんな方におすすめ
「家族みんなで安全に使いたい」「医療レベルの安心感が欲しい」人。


プラナロム|世界で信頼される医療グレード精油
成分分析表(GC/MS)をすべての製品に付与。
科学的エビデンスに基づいた“結果が出る精油”として、医療機関や大学研究でも使用。
✅ こんな方におすすめ
「根拠のある精油を使いたい」「セラピスト志向」タイプ。

フロリハナ|香りの美しさで選ぶならこのブランド
南フランスの自社蒸留所で抽出。
フェアトレード精神のもと、自然そのものの香りを大切にしたブランド。
✅ こんな方におすすめ
「香水のように上品でナチュラルな香りを楽しみたい」人。

フィネッサンス|100%オーガニックの入門ブランド
プラナロムの姉妹ブランド。
AB認証付きで、初心者でも扱いやすい価格帯と香りバランスが人気。
✅ こんな方におすすめ
「気軽にオーガニック精油を試したい」「ギフトやデビューに最適」。

よくある質問(FAQ)
Q1:安い精油と高い精油、何が違うの?
→ 抽出量・希少性・分析体制の違いです。安すぎる精油は合成香料の可能性も。
Q2:香りが弱く感じるけど大丈夫?
→ 香りを感じにくくても、呼吸や皮膚を通じて成分は体に届いています。
効果は“香りの強さ”ではなく“純度”で決まります。
Q3:猫や犬と同室で使える?
→ 基本的には、ペット(特に猫)のいる部屋での使用は控えましょう。
アロマ精油には「フェノール類」「モノテルペン炭化水素」など、
猫の肝臓では分解しづらい成分が含まれています。
猫は人間や犬と違い、肝臓のグルクロン酸抱合(解毒機能)がほとんどないため、
精油成分を体外へ排出しにくく、体内に蓄積して中毒を起こすリスクがあります。
🐈⬛ 猫とアロマ使用の注意点
| 使用状況 | 安全性の目安 | 注意ポイント |
|---|---|---|
| ディフューザー使用中に猫が同室 | ❌ 避ける | 換気をしても、空気中の成分を吸い込むリスクが残る。 |
| アロマスプレー・掃除用に使用 | ❌ 避ける | 床や毛づくろいで成分を舐め取る可能性がある。 |
| 精油瓶を開ける・香りを嗅ぐ程度 | △ 一時的なら可 | 猫がいない部屋で短時間使用し、完全に換気をしてから同室に戻す。 |
🚫 特に猫に注意が必要な精油の例
- ティートゥリー
- ペパーミント
- ユーカリ
- レモン
- ラベンダー(天然でも過敏反応を起こす場合あり)
✅ 猫と安全に暮らしながら香りを楽しむコツ
- 使用する部屋を完全に分ける(寝室 or リビングなど)
- 使用後は必ず窓を開けて30分以上換気する
- 猫が頻繁に過ごす場所では、芳香器・スプレーの使用を避ける
💡 補足
猫にとっての危険度は「香りの強さ」よりも「成分そのもの」です。
精油を使うときは、“香りを楽しむ人間の空間”と“ペットが安心して過ごせる空間”を分けることが、
共生のためのやさしい配慮です。

まとめ|“香りのパートナー”を選ぶようにブランドを選ぼう
香りは感情・記憶・体調に深く関わる“見えないセラピー”。
どのブランドを選ぶかは、どんな自分でいたいかを選ぶことでもあります。
🌿 まとめポイント
- 認証マークは安心の証。迷ったらエコサート・AB・ソイル認証を目安に。
- 認証なしでも品質を担保する国内ブランドも多数。
- 目的別に「香り」「安全性」「価格」で選ぶのがコツ。

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