更年期に心が落ち込みやすくなる理由
40代〜50代にかけて多くの女性が経験する「更年期」。ホルモンバランスの急激な変化は体だけでなく、心にも大きく影響を与えます。
- 女性ホルモン(エストロゲン)の減少で、セロトニンやドーパミンといった“幸せホルモン”が分泌されにくくなる
- 自律神経の乱れによって、気分の浮き沈みが激しくなる
- 身体の不調(ホットフラッシュ・不眠・動悸など)が続くことで、精神的に疲弊してしまう
このように「落ち込み・不安・無気力」といった心の不調は、更年期に自然と起こりやすいもの。「気分が重いのは私だけ?」と思う方もいますが、実は更年期世代にはごく自然に起こりうること。
だからこそ、心を整えるケアがとても大切なのです。
👉 まずは更年期の基本的な体と心の変化をまとめた記事も参考にしてください → 更年期の体調管理|ホルモン変化に負けない毎日の習慣

本記事は一般的な情報です。体質・治療状況には個人差があります。体調不良が続く場合は医療機関へご相談ください。
※この記事で紹介する「アロマオイル」は、正確には エッセンシャルオイル(精油) を指しています。一般的に「アロマオイル」と呼ばれる人工香料の商品とは異なり、精油は植物から抽出された天然成分で、心と体にやさしく働きかけます。
落ち込み・不安・無気力に寄り添うアロマ精油5選
香りはダイレクトに脳へ働きかけるため、心のバランスを取り戻すサポート役として最適です。ここでは更年期世代におすすめの精油を紹介します。
ラベンダー(真正ラベンダー)
ラベンダーには 酢酸リナリル という成分が多く含まれています。これは自律神経に作用し、セロトニン分泌を助けることでリラックスを促します。
そのため「抗不安作用」が期待でき、気持ちが張り詰めているときに自然と呼吸を深くしてくれます。
やさしいフローラル調の香りは、心を落ち着かせて安心感を与えてくれるでしょう。
👉 詳しくはこちら → 精油別・40代からのおすすめアロマ|真正ラベンダーで更年期の心と体をやさしく整える

ベルガモット
「天然の抗うつ剤」と呼ばれるほど心のケアに寄り添う精油。リモネンと酢酸リナリルを含み、リラックス・抗うつ・不安緩和に役立ちます。
柑橘系らしい爽やかさにほろ苦さを含んだ香りは、落ち込んだ心を軽くし、前向きな気持ちを取り戻させてくれます。
「気持ちを切り替えたい朝」や「人前で緊張する前」に取り入れるのもおすすめです。

クラリセージ
クラリセージには スクラレオール という成分が含まれ、ホルモンバランスの変化による気分の揺らぎをサポートするといわれています。
香りは甘く、少しナッティで独特のハーバル調。更年期の情緒不安定をやわらげ、「なんとなく心が重い…」というときに気持ちを軽くしてくれます。
特に女性特有の気分の乱れに寄り添う香りとして長年親しまれています。
ゼラニウム
ゼラニウムには シトロネロールやゲラニオールといった成分が含まれ、自律神経を整える働きがあります。
香りはローズに似たフローラル系で、感情の波をやわらげるのにぴったり。
「イライラと落ち込みを繰り返す」ような時期に、気分を中庸へと戻すサポートをしてくれる香りです。

ローズ(ダマスクローズ)
ローズは贅沢で高貴な香りを持つ精油。シトロネロールやゲラニオールを含み、幸福感を高め自己肯定感を取り戻すのに役立ちます。
「もう無理」と感じるような無気力感や自己否定の気持ちに寄り添い、やさしく心を癒してくれます。
特に自分を大切に扱いたいときや、ご褒美ケアとしておすすめです。

【猫と暮らす方向けの注意】拡散は短時間(5〜10分)・換気徹底・猫の立ち入り不可の部屋で使用・衣類/寝具に直接付けない。妊娠中・授乳中・持病がある方は使用前に専門家へ。
アロマを使った心を整えるセルフケア実践法
精油は生活に自然に取り入れると続けやすく、効果も実感しやすいです。
- 夜のリラックスタイムに
ティッシュにラベンダーを1滴。枕元に置いて深呼吸するだけで安らぎを感じやすくなります。 - 朝のリフレッシュに
ベルガモットをハンカチに垂らし、出かける前に香りを吸い込むと気持ちが前向きに。 - 気分転換に
ゼラニウムの香りを仕事の合間に取り入れると、感情の乱れが落ち着きます。 - ご褒美ケアに
ローズをアロマバスに。華やかな香りで自己肯定感が自然に高まります。
👉 ブレンド法はこちら → 40代女性のためのアロマ活用術|更年期やストレスをやさしくケアするブレンド方法

わたしの経験から|香りが心を支えてくれた日々
私自身、更年期の入り口で「気分の落ち込み」や「やる気の低下」を感じたことがあります。そんな時、ベルガモットを嗅ぐと気持ちが少し軽くなり、ラベンダーで呼吸が深まると安心して眠れるようになりました。
また、生徒さんからも「ゼラニウムでイライラが和らいだ」「ローズの香りで幸福感でとっても満たされた気分になれた」という声をいただいています。
香りは見えないけれど、空気中に拡散された芳香成分は、呼吸をするとともに体内に取り込まれます。アロマは確かに心を支えてくれるパートナーだと実感しています。

本記事は医療行為ではありません。無理のない範囲で実践してください。
受診の目安:不正出血/胸痛・強い動悸/抑うつ・不眠が長期化/日常生活に支障が出るほてり・めまい などは自己判断で継続せず受診を。
※ここでいう「アロマオイル」は、正しくは エッセンシャルオイル(精油) のことです。香りを楽しむだけでなく、植物の天然成分が心身を整えるサポートをしてくれます。
まとめ|更年期の心をやさしく整えるアロマ習慣
更年期の落ち込みや不安、無気力は“自然な体の変化”。弱さではなく、心と体からのサインです。
そんな時こそ、香りの力を日常に取り入れてみましょう。
- 不安にはラベンダー
- 前向きな朝にはベルガモット
- 気分の波にはゼラニウム
- 自己肯定感にはローズ
安全に正しく取り入れることで、アロマは更年期の心をやさしく支える味方になります。