- 女性ホルモンの波が「心・体・肌・睡眠」に与える影響
- ホルモンバランスを整える香りとその成分の働き
- 月経周期・更年期それぞれに合う精油の選び方
- 呼吸と香りでリズムを取り戻すセルフケア習慣

1. ホルモンの波は、わたしのリズム
女性の体は、四季のように周期的に変化します。
エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)が交互に働き、
1か月を通して「整う→揺らぐ→休む→蘇る」というリズムを繰り返しています。
- エストロゲン期(排卵前):明るく前向き。代謝・肌ツヤUP。
- プロゲステロン期(生理前):むくみ・眠気・気分の揺れ。
- 月経期:デトックスと再生。体と心をリセットする時期。
これを“乱れ”ではなく、“波”として受け入れること。
香りは、その波にやさしく寄り添い、バランスを取り戻す力を持っています。

2. 香りが女性ホルモンに届くしくみ
精油の香り成分は嗅覚から脳の視床下部に直接伝わります。
視床下部は、自律神経とホルモン分泌をコントロールする“司令塔”。
つまり——香りは、自律神経とホルモンを同時に整えるスイッチです。
香りを吸い込んだ瞬間、脳はセロトニン(安心)やオキシトシン(ぬくもり)を分泌し、
心拍や体温、呼吸のリズムを穏やかに整えます。
これは「香りで落ち着く」のではなく、神経とホルモンが整う生理反応です。

3. サイクル別:整える香りと心の整え方
🌸 卵胞期(生理後〜排卵前)
心と肌が上向きになる「始まりの季節」。
この時期は外向きのエネルギーを“焦らず育てる”ことがポイント。
おすすめ精油:ベルガモット、ゼラニウム、クラリセージ
- ベルガモット:前向きな思考を促し、軽やかさを。
- ゼラニウム:ホルモンと自律神経をバランスよく整える。
- クラリセージ:エストロゲン様作用で内側の自信をサポート。
セルフケア:朝、鏡の前で深呼吸しながら香りを吸う。
1滴で十分。交感神経が自然に“オン”になる瞬間を感じて。

🌕 黄体期(排卵後〜生理前)
心身が最も揺らぎやすく、「冷え・むくみ・情緒の波」が出やすい時期。
大切なのは、緩めることを怖れないこと。
おすすめ精油:ラベンダー、イランイラン、スイートオレンジ
- ラベンダー:副交感神経を優位にし、眠りを深める。
- イランイラン:筋緊張をやわらげ、女性らしい安心感を与える。
- スイートオレンジ:気持ちを軽くしてくれる陽の香り。
セルフケア:夜、アロマバスに「ラベンダー2滴+イランイラン1滴」。
お湯に直接ではなく、バスミルクや蜂蜜で乳化して。
“温もりが心に届く”瞬間を大切に。

🌑 月経期
体は排出モードに入り、気力も低下しやすい。
ここでは「頑張る」より、「休む」を選ぶ勇気を持って。
おすすめ精油:ローズ、フランキンセンス、カモミール・ローマン
- ローズ:自己受容とやさしさを取り戻す香り。
- フランキンセンス:呼吸を深め、思考のノイズを鎮める。
- カモミール:鎮痛・抗炎症・安心感を与える。
セルフケア:ホットタオルに1滴垂らしてお腹にあてる。
香りを吸い込みながら「今日は休息のフェーズ」と意識を切り替えて。

🌗 更年期・閉経期
ホルモン分泌が減少し、心と体の波が大きくなる時期。
冷え・ホットフラッシュ・不眠などの不調が出やすくなります。
この時期こそ、“香りで呼吸を取り戻す”時間が大切。
おすすめ精油:クラリセージ、ネロリ、ゼラニウム
- クラリセージ:エストロゲン様作用でゆらぎ期の強い味方。
- ネロリ:神経を穏やかにし、オキシトシン分泌を促す。
- ゼラニウム:感情の波を受け止め、心をバランスに戻す。
セルフケア:朝はレモンでスイッチを入れ、夜はゼラニウムで静かにクールダウン。
香りの“朝と夜の切り替え”が、自律神経とホルモンのリズムを整えます。

4. 香りとホルモンをつなぐ「成分のちから」
| 成分名 | 含まれる精油 | 主な作用 |
|---|---|---|
| リナロール | ラベンダー・ベルガモット | 副交感神経を鎮め、緊張を緩和 |
| ゲラニオール | ゼラニウム・ローズ | ホルモンバランス・美肌サポート |
| スクラレオール | クラリセージ | エストロゲン様作用、更年期ケア |
| ネロール | ネロリ・プチグレン | 情緒安定・抗ストレス作用 |
| カマズレン | カモミール | 抗炎症・鎮痛・安心感の増幅 |
この「成分の働き」を理解して香りを選ぶと、
単なる“癒し”ではなくホルモンサポートとしてのアロマが実現します。

5. 香り×呼吸×生活リズムで整える“1日の流れ”
| タイミング | 香りの取り入れ方 | 効果 |
|---|---|---|
| 朝 | ティッシュ吸入・ストーンアロマ | 交感神経を穏やかにオンに |
| 昼 | ハンカチアロマ・デスクディフューザー | 思考のリセットと集中力UP |
| 夜 | アロマバス・足湯・枕元アロマ | 副交感神経を優位に、深い眠りへ |
「呼吸が整えば、ホルモンも整う」——それが香りの基本原理。
吸うとき4秒、吐くとき6秒。この“香りの呼吸”が、体のリズムを静かに再構築してくれます。
▶︎ 朝のスイッチを整えたい方へ:
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▶︎ 夜のリセットに:
湯気と香りで、自律神経をオフに戻す夜の整え方👇

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6. まとめ|香りがわたしを“波に戻す”
女性ホルモンの波は、誰もが持つ“生命のリズム”。
それをコントロールしようとするほど、心は疲弊していきます。
香りは、波を止めるためではなく、波に還るための道具。
わたしたちは、完璧でなくていい。
香りとともに呼吸を整え、自分の中のリズムを静かに取り戻していけばいいのです。
今日もひとしずくの香りで、体と心の声に耳を澄ませてみましょう。
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