- フランキンセンス精油の香り・成分・歴史的背景
- 呼吸が深まる理由と、心への整え効果
- 朝・日中・夜のシーン別の使い方とブレンド実例
- 品質の見極め方(樹脂・産地・表示)と安全濃度
- サステナブルな選び方と保管のコツ
1. 呼吸が浅くなると、心も緊張する
忙しい日々の中で、ふと気づくと呼吸が浅くなっていませんか。
頭で考えごとをしているときや、無意識に力が入っているとき。
呼吸が浅くなると、交感神経が優位になり、体も心も休まらなくなります。
そんなときにおすすめなのが、フランキンセンス精油。
ゆっくりと吸い込むことで、呼吸が深まり、
“緊張が静かにほどけていく”のを感じられる香りです。

2. フランキンセンスとは
フランキンセンス(学名:Boswellia carterii)は、
中東や北アフリカの乾燥地帯に生える樹木から採れる樹脂。
古代エジプトでは“神聖な香り”として儀式や瞑想に使われてきました。
香りは、スモーキーで少し甘く、ウッディさと柑橘の透明感をあわせ持ちます。
どこか“静寂”を感じる深みがあり、吸い込むたびに心が落ち着いていきます。

3. 呼吸を深め、思考を静めるメカニズム
フランキンセンスの主成分は「α-ピネン」。
この成分には、呼吸中枢を穏やかに刺激して自然に呼吸を深くする作用があります。
深い呼吸は、副交感神経を優位にし、心拍数をゆるやかに整える。
さらに、脳内の扁桃体に働きかけて、
過度な不安やストレス反応を抑えてくれるため、
“頭の中のざわめき”が静かになるのです。
まさに、フランキンセンスは「心のリセットボタン」のような香り。
朝の気持ちを切り替えたいときは、ベルガモット精油もおすすめです。
思考を軽くして、前向きに1日を始めるサポートをしてくれます👇


4. 更年期やストレス期におすすめの理由
40〜60代の女性は、ホルモンバランスの変化によって、
自律神経が乱れやすくなります。
「理由もなく焦る」「イライラが続く」「夜中に目が覚める」——
そんな揺らぎを感じるとき、呼吸を整えることが心の安定に直結します。
フランキンセンス精油には、
ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を抑える作用も確認されています。
心を鎮め、内側から“静かな芯”を取り戻すサポートをしてくれる香りです。
ストレスやホルモンの揺らぎで気持ちが落ち着かない日には、ゼラニウム精油もおすすめです。
感情の波をやさしく整え、更年期の不安や緊張をゆるめてくれます👇


5. 品質の見極め(魅力は「樹脂と産地」に宿る)
- 表示:学名(Boswellia spp.)、部位(樹脂)、抽出法(水蒸気蒸留)を確認。
- 産地個性:
- B. carterii(ソマリ・エチオピア):バランス良好で瞑想向き。
- B. sacra(オマーン):透明感と神秘的な深み。
- B. serrata(インド):ややスパイシー、ボディケアに相性良。
- 香りの厚み:良品はトップが尖らず、後半に“静かな甘さ”が残る。
- GC/MS(成分分析表)が見られるブランドは信頼度が高い。
- 偽和対策:価格が極端に低い、アルコール臭が強いものは避ける。
6. シーン別の使い方とブレンド(実践レシピ)
精油を安全に取り入れるには、ブレンドや濃度の基本を知っておくことが大切です。
初心者の方にもわかりやすい、安心して使えるアロマの基本をまとめました👇

6-1 朝|静かな集中をつくる
ディフューザー(合計4〜5滴)
- フランキンセンス 2
- ベルガモット 2
- ローズマリー 1(集中したい日は+1)
→ “落ち着き+明るさ+軽いクリア感”。朝の会議や家事前に。
呼吸ドリル(1分)
4拍吸う → 6拍止める → 8拍吐く × 3セット(香りを感じながら)

6-2 日中|緊張の立て直し
ロールオン(10mL・1%)
- ホホバ 10mLにフランキンセンス 2滴+ラベンダー 1滴
→ こめかみ・耳後ろ・手首にひと塗り。会議前や外出時の“心のバリア”に。
ティッシュ吸入
精油1滴 → 3回だけ深呼吸。短時間で切り替えたい時に。

6-3 夜|思考をOFFにする
アロマバス(湯面に広げて入浴)
- フランキンセンス 2
- ラベンダー 2
- オレンジスイート 1
※天然塩大さじ1に精油を混ぜてから湯へ。湯気をゆっくり吸い込む。
寝室ミスト(50mL)
- 無水エタノール 5mL
- 精製水 45mL
- フランキンセンス 6滴 + ラベンダー 4滴
→ 寝具に“ひと吹き”。深い呼吸の合図に。

7. “香りの相性”でもっと魅力が開く
- ベルガモット:呼吸の深さに“心の軽さ”を足す。朝に最適。
- ラベンダー:緊張ほどける夜の相棒。睡眠準備に。
- ローズマリー:静かな集中へ。思考の霧を薄くする。
- サンダルウッド:内省を深めたいとき。瞑想・ヨガに。
フランキンセンスの軸は「静けさ」。
そこに“軽さ・眠り・集中・深み”のどれを足すかで、日常の質感が変わります。
8. こんな人・こんな時におすすめ
- 呼吸が浅く、肩や顎に力が入りやすい
- 眠る前に考えごとが止まらない
- 更年期の揺らぎで、心が落ち着きにくい
- 朝に静かに集中したい、夜に静かにほどきたい
- ヨガ・瞑想に“香りの道しるべ”が欲しい

9. 安全・濃度・保管(実務メモ)
- 希釈:フェイス0.5%、ボディ1%(目安:10mLの植物油に1〜2滴)。
- 禁忌:妊娠初期は使用を控える。持病・通院中は医師へ相談。
- 保管:遮光・冷暗所。開封後は1年を目安に。
- 拡散時間:連続拡散は30分以内→換気→必要なら再開。
- 肌質:敏感肌はパッチテストを。違和感があれば中止。
10. サステナブルな選び方
フランキンセンスは樹脂採取の過多で資源圧迫が懸念される地域も。
- 産地・採取方法・トレーサビリティを公開するブランドを選ぶ
- “フェアトレード/コミュニティ支援”の取り組み表記を確認
- 必要量を適切に使い、余らせない設計(小瓶・小ロット)にする
香りは、地球からの預かりもの。丁寧に選ぶことも心を整える一部です。
11. まとめ|深呼吸は、心を取り戻す最短ルート
フランキンセンスは、“深い呼吸に戻るための合図”。
朝は静かに集中へ、夜は静かに解放へ。
日常のどの瞬間にも、心の音量を一段下げる余白をくれます。
香りで呼吸が整うと、思考も感情も自然と落ち着く。
整えるとは、がんばることではなく、戻ること。
フランキンセンスは、その道を静かに照らす香りです。
12. 香りが導く、スピリチュアルな整え
フランキンセンスの魅力は、単なるリラックス作用だけにとどまりません。
古代より“神に捧げる香り”と呼ばれ、瞑想や祈りの場で用いられてきたのは、
この香りが「意識の層を静かに整える力」を持っているからです。
🌙 物質的な執着を和らげる香り
私たちは日々、成果・評価・責任といった「形あるもの」に心を奪われがちです。
フランキンセンスのスモーキーで透明な香りは、
そうした“外のノイズ”から内側へと意識を戻す橋渡しのように働きます。
呼吸が深まるたびに、「いまここ」に意識が還り、
余分な力が抜けていく感覚が訪れます。

🌿 潜在意識のブロックを解くサポート
香りは大脳辺縁系に直接届き、記憶や感情の層にやさしく触れます。
フランキンセンスは、
「どうせ私なんて」「失敗したらどうしよう」といった
無意識の中に潜む思考のブレーキをやわらげる手助けをします。
それは、瞬時に変える魔法ではなく、
香りを通して“自分に戻る道”を少しずつ整えるようなプロセス。
吸い込むたびに、
「もう少し軽く生きてもいい」という感覚が、
体の奥から思い出されていきます。

☀️ 精神の透明度を高める香り
瞑想やヨガの前に香らせると、思考が鎮まり、
雑念が薄れるような“意識の静まり”が生まれます。
それは決して特別なスピリチュアル体験ではなく、
理性と感性の間に余白をつくる行為。
フランキンセンスは、私たちの中にある「本来の静けさ」を呼び覚まし、
心のバランスを自然な位置に戻してくれる香りです。

💫 COLUMN|香りの“上昇”というエネルギー
フランキンセンスの煙はまっすぐ上に昇るといわれます。
その姿は、意識が高次に向かう象徴として、
古代の人々に「祈り」や「浄化」の香りと呼ばれてきました。
今の私たちにとっては、
“思考の渦”から一歩上がり、俯瞰の視点を取り戻す香り。
香りが導く静けさは、心を地に足のついたまま整える、
現代のスピリチュアルバランスといえます。
🌿 香りは、目に見えない世界を整える小さな科学。
フランキンセンスは、心と意識の“間”に光を通す香りです。
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1.ラベンダー精油の効果と使い方」|リラックス&快眠におすすめの香り
夜の呼吸をゆるめたいときに。
ラベンダー精油は副交感神経を整え、深い眠りをサポートします。
ストレスや考えごとで眠れない夜におすすめです。

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一日の終わり、気持ちをリセットしたいときに。
オレンジスイート精油は、明るさと安心感を取り戻す香りです。

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香りの効果を引き出すには、道具の選び方も大切です。
ディフューザーの使い方と香りを長持ちさせるコツを紹介しています。

